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	<title>活用事例 &#8211; BiomeSurvey</title>
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	<description>誰でも環境調査を</description>
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	<title>活用事例 &#8211; BiomeSurvey</title>
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	<item>
		<title>民有地を自然保護区に！自然共生サイトの仕組みづくりが進行中</title>
		<link>https://biome-survey.com/blog/nature-symbiosis-site/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[kameda]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 16 Sep 2022 03:06:06 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[実は使われていないから損なわれている？日本の生物多様性と生態系 生物多様性を守り、生態系サービスを享受し続けていくためには、自然を保護する必要がある―これは概ね正しいのですが、日本にはもう一つの問題があります。それはなん [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2>実は使われていないから損なわれている？日本の生物多様性と生態系</h2>
<p>生物多様性を守り、生態系サービスを享受し続けていくためには、自然を保護する必要がある―これは概ね正しいのですが、日本にはもう一つの問題があります。それはなんと、自然を使わなさ過ぎている（過少利用）という問題です。</p>
<p>その最たる例が、里山です。</p>
<p>かつての日本社会では、生活に必要な燃料・資材を、薪や木材という形で、森から得ていました。繰り返し小規模に木が切られることによって、森には大木がなく、明るい森が保たれます。家畜の餌や肥料のもととなる草を得るために草を刈り続けたり、燃やすことで、草原や湿地も維持されていました。その結果として里山は、明るい森や草原、湿地にすむ生き物（キキョウ、ササユリ、サギソウ、カヤネズミなど）にとって貴重な生息地を提供してきました。</p>
<p><img fetchpriority="high" decoding="async" src="http://biome-survey.com/wp/wp-content/uploads/2022/08/DSC_3888-1024x388.jpg" alt="" width="1024" height="388" class="alignnone size-large wp-image-90" srcset="https://biome-survey.com/wp/wp-content/uploads/2022/08/DSC_3888-1024x388.jpg 1024w, https://biome-survey.com/wp/wp-content/uploads/2022/08/DSC_3888-300x114.jpg 300w, https://biome-survey.com/wp/wp-content/uploads/2022/08/DSC_3888-768x291.jpg 768w, https://biome-survey.com/wp/wp-content/uploads/2022/08/DSC_3888.jpg 1450w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></p>
<p>しかし、第二次大戦後の経済成長の中で、より便利な化石燃料の普及や、外国の安い木材の流入により、日本人は近くの里山から燃料や資材を得ることをやめてしまいました。明るい森は木の成長によってうっそうとした暗い森に変わり、草原や湿地にも木が生えて森に変わっていきました。そして、明るい森や草原・湿地に生息していた生物種の多くがすみかを失い、現在では絶滅危惧種に名を連ねるようになっています。</p>
<p>里山がより原生に近い森に移り変わっていくことは、原生林を好む生物の住処を広げることとなり、必ずしも悪いことではありません。しかし、日本人が慣れ親しんできた里山やそこに生きる生物が減ってしまうことは、文化や生物多様性の損失です。管理の担い手を募集できる森では、そのまま原生に戻すのか、里山として使っていくのか、住民や行政を巻き込んだ議論が必要でしょう。原材料高が進む昨今では、原材料の供給元として身近な山林に目を向けてみてもいいのかもしれません。</p>
<p>そのような取り組みを支えるには、多様な生物を維持しつつ自然を使うことが、何らかの報酬をもたらすような仕組みが必要です。それが、「自然共生サイト」の考え方です。</p>
<h2>自然を使いながら、生物を守っていく。自然共生サイト</h2>
<p>自然共生サイトは日本の環境省が提唱している呼び名で、海外等ではother effective area-based conservation measures（OECM）と呼ばれています。2010年の愛知目標において、自然保護区を拡大していくために、自然が守られている民有地も自然保護区として認定しようとしたことが始まりです。現在では、2030年までに各国の国土の30%を自然保護区にする目標（30by30）を達成するための切り札とみられています。<br />
（※参考リンク：30by30 | 環境省 <a href="https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/" rel="noopener" target="_blank">https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/</a>）</p>
<p>日本で期待される自然共生サイトと役割としては、主に以下のようなことが挙げられます。</p>
<p style="margin-bottom: 0 !important;"><strong>効果的な自然保護</strong></p>
<ul>
<li>生物多様性保全上の重要度が高い地域の保全</li>
<li>既存の保護区同士や異なる生態系を自然共生サイトがつなげることによる効果的な自然保護<br />
（例）山・海を結ぶ川が自然共生サイトとして保護区化され、山と海を一体として保全管理し、多様な生物を守る</li>
</ul>
<p style="margin-bottom: 0 !important;"><strong>地域づくり・グリーンインフラの支援</strong></p>
<ul>
<li>里地・里山・里海でなされるような自然に配慮した土地管理を支援し、生態系サービス（農林水産物の提供・観光・減災・環境浄化など）を享受しやすくする</li>
<p>管理を通じて、住民・企業・研究機関・行政といった地域の多様な主体が協働するようになり、地域が活性化する
</ul>
<p style="margin-bottom: 0 !important;"><strong>自然保護に取り組む企業等の価値が高まる</strong></p>
<ul>
<li>自身が頼っている生態系サービスをもたらしている自然（自然資本）の持続的管理に出資・参画することで、事業環境が安定する</li>
<p style="margin-bottom: 0;">（例）</p>
<ul>
<li>飲料メーカーが、取水地の山林の保全することで、きれいな水が安定供給されやすくなる</li>
<li>漁業者やダイビングショップが魚付林・藻場を保全することで海の生態系が保たれ、漁獲量・種、集客が安定する</li>
<li>電力会社が、送電線近くの森を管理することで、災害時の倒木などを減らし、強靭なインフラができる</li>
<li>工場緑地・植林地が自然共生サイトに登録されることで、CSR活動がアピールしやすくなる</li>
</ul>
</ul>
<p>などが考えられており、地域振興、自然の持続的な利用、自然に配慮した減災、企業の競争力の向上といった日本が取り組むべき課題に広く貢献する、先進的・挑戦的な取り組みです。</p>
<h2>求められる取り組み</h2>
<p>環境省は、自然共生サイトに対する減税等によって登録を後押しし、2023年度には国内の100箇所を認定する、という野心的な目標を立てています。</p>
<p>2022年現在は、自然共生サイト登録の試行中で、認定基準や登録プロセスの課題を洗い出している段階にあります。地域・土地利用によって異なる自然に対してどのような認定基準を設けるかは非常に難しい問題で、体当たりしながらじっくりとルールを改善するほかありません。多くの自治体・企業といった主体が、ルールが固まるのを待つのではなく、実際に応募してルール作りにも関与・貢献していくことが望まれます。</p>
<p>認定や、自然に配慮した土地の順応的な管理には、現地の生物多様性をモニタリングしていく必要があります。多様な主体の資産となる自然共生サイトの調査には、関わっている主体が参加するのが好ましいでしょう。自分たちのサイトの実態を自分たちで調べることで、実態を把握し、協働が生まれ、より良い管理に繋がっていくと期待できます。</p>
<p>written by Keisuke Atsumi<br />
&#8212;&#8212;&#8212;-<br />
〈参考〉<br />
<a href="https://www.env.go.jp/content/900492859.pdf" target="_blank" rel="noopener">https://www.env.go.jp/content/900492859.pdf</a><br />
<a href="https://www.env.go.jp/nature/R3-03_ref01.pdf" target="_blank" rel="noopener">https://www.env.go.jp/nature/R3-03_ref01.pdf</a><br />
<a href="https://www.biodic.go.jp/biodiversity/activity/policy/jbo2/jbo2/index.html" target="_blank" rel="noopener">https://www.biodic.go.jp/biodiversity/activity/policy/jbo2/jbo2/index.html</a><br />
生物多様性及び生態系サービスの総合評価報告書　平成 28 年３月　環境省 生物多様性及び生態系サービスの総合評価に関する検討会<br />
景観生態学　日本景観生態学会編　2022</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>世界でひろがる市民参加型の科学</title>
		<link>https://biome-survey.com/blog/citizen-science-around-the-world/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[kameda]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 12 Sep 2022 00:06:02 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[デジタルを通じた市民参加 アプリを通じた道路破損の通報や、オンラインでの合意形成など、市民の行政への参加が話題になっています。 市民参加型のプロジェクトは、多くの人手を動員できるために行政の負担を減らすことができるうえ、 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2>デジタルを通じた市民参加</h2>
<p>アプリを通じた道路破損の通報や、オンラインでの合意形成など、市民の行政への参加が話題になっています。<br />
市民参加型のプロジェクトは、多くの人手を動員できるために行政の負担を減らすことができるうえ、ある事柄にたいする市民の関心を高めることができるなど、多くの利点があります。<br />
そして、このようなデジタル基盤を通じた市民の参加は、生物学でも活発になっています。</p>
<p>地域の生物を保全したり、生態系サービスを理解するためには、どの場所にどの種の生物が住んでいるのか知る必要があり、そのための実地調査が欠かせません。<br />
しかし、そのような生物の生息調査に割ける資金や人員が限られている研究機関や自治体がほとんどでしょう。<br />
そこで、市民に生物調査へ参加してもらう取り組みが必要になってきます。</p>
<p>欧米では、アプリ上で市民が生物の発見や生物季節イベント（開花・結実・今年の初見など）を投稿することで得られたビッグデータから、貴重な研究成果が多く出てきています。<br />
日本からも、Web上にある釣り人が撮った写真に基づいて魚の婚姻色の地域変異が解明されたり（Atsumi <em>et al</em> 2018）、Twitterで投稿されたダニの写真が新種だと発覚するなど（Pfingstl <em>et al</em> 2021）、市民が投稿したデジタルデータが生物学で盛んに使われるようになりました。</p>
<h2>生物調査に市民を巻き込むための工夫</h2>
<p>調査の意義をよく理解し、参加意欲が高い方々にとっても、手助けがなければ生息調査は難しく、手間がかかるハードルの高いものです。</p>
<p>生物の生息調査では</p>
<ul>
<li>見つけた生物がどの種であるかを特定する（同定）</li>
<li>いつ・どこでその生物を見つけたのかを記録していく</li>
</ul>
<p>必要があるとともに、</p>
<ul>
<li>生物の状態を記録する、のちの再同定を簡単にするために、その生物の写真をとる</li>
</ul>
<p>ことが好ましく、観察ひとつのために大きな手間がかかります。</p>
<p>さらに、幅広い層に調査に参加してもらうためには、参加者が飽きないようにゲームの要素を入れていくことが大事になります。</p>
<h2>バイオームの取り組み</h2>
<p>弊社のアプリである、いきものコレクションアプリ「Biome」と生物調査支援アプリ「BiomeSurvey」では、写真への画像認識や、近くでの投稿状況を組み合わせることで、投稿された生物の種がなんなのかを提案し、種同定をサポートします。<br />
しつもん機能を通じて、他のユーザー達にその種が何なのか尋ねることもできます。<br />
そのような取り組みの結果、2020年6月におけるデータベース中の同定精度は、種レベルで91～76％、属レベルで93～87％でした（藤木・龍野 2021）。</p>
<p>スマートフォンやGPS対応のデジタルカメラで撮った画像がもつ、撮影日時・緯度経度の情報を得ているため、Biome・BiomeSurveyでは、いつ・どこで発見したのかを入力する必要がありません。<br />
一方で、海中写真などGPS情報のない画像については、アプリ上で撮影場所を入力することもできるようになっています。</p>
<p>このようなデジタルの力で、BiomeSurveyは個体数調査や在不在調査などの様々な生息調査（survey）を簡単にします。<br />
近隣住民・土地利用者・行政をはじめとした多様な立場の方々が調査に参加しやすくなることで、その地域の自然を関係者に広く知ってもらえるとともに、関係者同士の一体感も生まれるでしょう。<br />
そのような土台があれば、立場を超えた協働が進み、より良い土地利用や保全の計画・実行が進むと期待できます。</p>
<p>一方でBiomeは、投稿数や種に応じたユーザーへのBiome levelを付与し、種の見つけやすさなどに応じて種にレア度を設定するといったゲーム要素とともに、他ユーザーと交流できるSNS機能をもたせることで、ユーザーに楽しんで生物を発見・観察、そして投稿してもらうことを目指しています。</p>
<p>このようなアプリの提供を通じて、みんなの力で日本の、そして世界の生物ビッグデータを作り上げることで、自然と人間が共生する社会づくりを後押しをしていくことが、バイオームのミッションの一つです。</p>
<p>written by Keisuke Atsumi<br />
director: Toshiro</p>
<p>&#8212;&#8212;&#8212;-<br />
〈参考〉</p>
<p>道路通報｜<a href="https://www.projectdesign.jp/articles/592f1a1c-4432-4d54-a0ab-e7bffb438e9b" target="_blank" rel="noopener">https://www.projectdesign.jp/articles/592f1a1c-4432-4d54-a0ab-e7bffb438e9b</a><br />
市民参加型スマートシティの可能性｜<a href="https://liquitous.com/lisearch/journal/2021/11/08/688/" rel="noopener" target="_blank">https://liquitous.com/lisearch/journal/2021/11/08/688/</a> </p>
<p>Pfingstl, Tobias, et al. &#8220;Ameronothrus twitter sp. nov.(Acari, Oribatida) a new coastal species of oribatid mite from Japan.&#8221; Species diversity 26.1 (2021): 93-99.</p>
<p>Atsumi, Keisuke, and Itsuro Koizumi. &#8220;Web image search revealed large-scale variations in breeding season and nuptial coloration in a mutually ornamented fish, Tribolodon hakonensis.&#8221; Ecological Research 32.4 (2017): 567-578.<br />
藤木庄五郎, and 龍野瑞甫. &#8220;モバイル端末を用いた生物多様性モニタリング手法開発に向けた 市民科学の実践.&#8221; 日本生態学会誌 71.2 (2021): 85-90.</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>暮らしに役立つ生態系サービスと社会</title>
		<link>https://biome-survey.com/blog/ecosystem-services-first/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[kameda]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 06 Sep 2022 15:23:51 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[はじめに これまで、人間の活動によって世界の生態系が大きく影響を受けたり、生物多様性が失われていることが指摘され続けてきました。 更に近年、生物多様性の重要性がより強く認識され、市民だけではなく企業も生物多様性の保全につ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2>はじめに</h2>
<p>これまで、人間の活動によって世界の生態系が大きく影響を受けたり、生物多様性が失われていることが指摘され続けてきました。<br />
更に近年、生物多様性の重要性がより強く認識され、市民だけではなく企業も生物多様性の保全について考えることが求められるようになり、いよいよ社会全体で本格的に取り組まなければならない課題となっています。</p>
<p>課題に立ち向かうにあたり、まずは生態系がどういう役割をもつのかを知るため、社会やビジネスにどう恩恵をもたらし利用されているのかを「生態系サービス」と呼ばれる4つのサービスの観点でご説明します。</p>
<p>社会における諸活動がいったいどの生態系サービスに関わるものなのかを理解すると、新たなミッションやより大きなチャンスが生まれるかもしれません。</p>
<h2 class="">①「供給サービス」…人々にモノを提供する</h2>
<p>生態系は人間に、様々なモノを提供しています。</p>
<ul>
<li>食料（魚、ジビエ、山菜など）</li>
<li>水（飲料、農業・工業用）</li>
<li>原材料（繊維、木材、燃料、飼料、肥料、鉱物など）</li>
</ul>
<p>この辺りはパッとすぐに思い浮かびますが、生態系が私たちに提供してくれている資源はそれだけではなく、たとえば農作物や家畜の品種改良に利用される「遺伝資源」や、薬・化粧品・染料などの材料となる「薬用資源」もあります。（アオカビからのペニシリンの発見など）</p>
<p>これら人間の生活にとって重要なモノを提供してくれていることを「供給サービス」と呼んでおり、これは「具体的なモノを提供する」というビジネスや生業の源泉となっています。</p>
<h2>②「調整サービス」…人々の暮らしを守る</h2>
<p>生態系は、</p>
<ul>
<li>大気の質を調整する（ヒートアイランドの緩和など）</li>
<li>水質を浄化する</li>
<li>地力（肥よくな土壌）を維持、形成する</li>
</ul>
<p>など、環境を制御するはたらきを持っていますが、とりわけ自然災害の多い日本ではまた、生態系による災害の緩和を上手に利用しています。</p>
<p>例えば、陸地を囲むように発達したサンゴ礁は、広くて硬い浅瀬を作り出すことで天然の防波堤としてはたらき、高波から陸地を守っています。<br />
観光地としての集客や魚介類をはぐくむだけでなく、堤防を作るコストを軽減する面でも、サンゴ礁は人の役に立っています。</p>
<p>北海道では、冬の強風で吹雪や地吹雪によって視界が遮られることで交通事故が多発してしまうことから、道路の脇に林を作ることで、道路上での吹雪を抑えて事故を減らす取り組みが進められています。</p>
<p>このように、環境を制御し、災害を緩和する生態系の恩恵を「調整サービス」と呼んでおり、私たちは主に人々の暮らしを守るという形でこれを活用しています。</p>
<h2 class="">③文化的サービス…人々の暮らしの価値を向上させる</h2>
<p>人に深く影響を与え、しかしその影響を評価しづらいのが「文化的サービス」です。</p>
<p>文化的サービスには、</p>
<ul>
<li>レクリエーションや観光の場と機会</li>
<li>文化、芸術、デザインへのインスピレーション</li>
<li>神秘的体験</li>
</ul>
<p>などがあります。</p>
<p>多くの人々が、美しい自然景観や生き物を見るために旅行し、感動したり、ストレスから解放されるなどして、かけがえのない体験をしています。<br />
自然の意匠は家紋にも多く見られ、日本人がいかに自然と深くかかわってきたかが垣間見えます。</p>
<p>これを利用したわかりやすいビジネスといえば旅行・観光ビジネスなどですが、文化的サービスから得られる価値は目に見えにくい部分も多くあります。<br />
手を変え品を変え、様々にビジネスが展開されています。</p>
<h2>④生息・生育地サービス…守られるべきあらゆるビジネスの基盤</h2>
<p>前述のような生態系サービスを生物種がもたらしているため、それらのサービスの基盤となっている種の存続を助ける自然のはたらきそれ自体も、生態系サービスとみなすことができます。<br />
これを「生息・生育地サービス」と呼んでいます。</p>
<p>自然は、生息環境を提供することで、生物が生存・繁殖できるようにしています。<br />
多様で広い生息環境があれば、多様な種や、種の中での遺伝的な多様性が存続できます。</p>
<p>すると、環境の変化があった際に、似た生態系サービスを提供する種群のうちの一部が生き残る、あるいは種の適応進化がおこりやすく絶滅しにくくなります。<br />
結果、豊かな生態系を守ることが、生態系サービスを安定させるのです（Oliver et al 2015）。</p>
<p>生息・生育地サービスは、直接的にビジネスにつながるものととらえることは難しいですが、あらゆるビジネスの基盤となるものです。<br />
生物多様性の保全について考えることが強く求められている昨今、これを守ることは私たちみんなにとっての使命ですし、実際企業が「持続可能な経営」を行っているかどうかというのは、投資家にとっても非常に重要な要素となっています。<br />
当然、社会全体としても、多様な生態系を維持しながら自然を使うことで何らかの報酬が得られるような、新たな仕組みづくりが必要になるでしょう。</p>
<h2>これからの社会やビジネスにとって必要なアクション</h2>
<p>以上のように、生態系は様々な恩恵を人間社会にもたらしています。<br />
生態系サービスを得続けるためには生態系の保全・管理が欠かせないのですが、それには様々な壁があります。</p>
<p>生態系は様々な生物個体が集まって成り立つ、複雑でダイナミックな系です。<br />
生物が提供する生態系サービスは、種や、置かれた環境によって変わります。</p>
<p>そのため、生態系サービスを持続的に享受するためには、それを支えている種や生態系の状態についてのデータを集め続け、生態系に異変が起こった場合には積極的な保護策を講じる必要があります。<br />
高い質で、かつ膨大な数の「生の」データを集め続けることが、生態系の保全・管理の礎になります。</p>
<p>written by Keisuke Atsumi &#038; Toshiro Yamanaka</p>
<p>〈参考〉<br />
Oliver, Tom H., et al. &#8220;Biodiversity and resilience of ecosystem functions.&#8221; Trends in ecology &#038; evolution 30.11 (2015): 673-684.</p>
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